ケイ素水?UMO?いかにも怪しい水があったので化学専攻の僕が調べてみた

ケイ素水?UMO?いかにも怪しい水があったので化学専攻の僕が調べてみた

水素水はちょっと前にはやりましたよね。

飲むと痩せるだの、効果ないだの言われてたあれです。

そして今回は。。。

ケイ素水なるものを発見しました(笑)

ケイ素て(笑)

僕は一応化学専攻でこれでも大学院生なのでケイ素がどんなものかは知ってます

ケイ素水か〜どんなものなんだろうか・・・

ということで衝撃なケイ素水なるものを発見したので紹介していきたいなと思います。

ケイ素水の販売会

僕とケイ素水との出会いは突然でした()

いつも行くジムに張り紙が、、、

ケイ素水だと!!!漢字が難しいですが、ケイ素と読みます。

1回くらいなら聞いたことあるんじゃないでしょうかケイ素。

水素水がちょっと前に流行って問題になっていたのに、また新しい水が・・・

ケイ素ってこんなものだよ

一応僕は化学を専攻していて、今大学院で研究を行っています。

5年間も勉強してきた中での知識から書いていきますよ。

ケイ素はいろんなところに使われている

ケイ素(Si)は原子番号14で質量数28の原子

シリコンなんて呼ばれています(siliconの頭文字のSiだけ書くことが多いです)

このケイ素、なんと皆さんまわりのいたるところにあります

そのへんの石ころもケイ素が入っていますし、皆さんのスマホのなかにも入っています。

ケイ素は水には溶けない

本題のケイ素水についてですが、、、

残念ながらケイ素は水には溶けません。

これは国際化学物質安全性カードのケイ素のページにも記載されています。

ケイ素は金属でもあり、金属であり非金属であるという特殊な性質を持っており、ケイ素の酸化物である二酸化ケイ素は半導体回路(シリコンウエハー)としてのみんなのスマホの中にいっぱい入っています。

 

では、なぜケイ素水というケイ素が水に溶けてます!みたいな商品があるのでしょうか。

おそらくですがケイ素そのままではなく酸化物などを水に溶かしている可能性があります。

水に溶けるケイ素酸化物はケイ酸くらいなので、おそらくケイ酸ナトリウムあたりを水に溶かしているのでしょう。

ケイ酸ナトリウムは毒性がないとされていて、ゲル化剤(水とまぜるとねっとりする)として利用されています。

ケイ素には毒性が少ない

改めて、ケイ素というものは基本的には毒性がありません

ケイ酸ナトリウムにもほとんどありません。

といっても実験室レベルの濃度のケイ素においては、眼、気道に機械的刺激を引き起こすことがあります。

サプリなどで売られているものにはこういった毒性はほとんど無いでしょう。(たぶん)

株式会社会社リプロさんのUMOという商品だった

こちらのページから>>>高純度珪素濃縮溶液 UMO

リプロさんいわく、

  • ケイ素水には抗酸化作用がある
  • 副作用はない

だそう。

抗酸化作用についてはもうちょい下に書きます。

副作用ですが、基本的に薬などには主作用と副作用の2つがあります。

しかも副作用がないと断言することは製薬会社でもほぼありません。

”副作用がない”との記述はこの商品のテストが十分ではない、さらに製薬会社が何十億もかけて開発している薬よりも副作用を抑えているということになります。

すごい自信ですね。よほどすごい飲み物なのでしょう・・・

日常での活用方法がやばい

リプロさんのページに使い方が書いてありました。

そのなかで衝撃の内容が。

魚介類など、特に腐敗しやすい生ものにumo水をスプレーすると、スプレーした所に細菌等が付着しにくいので、腐敗を防ぎ鮮度を長く保ちます。
umoを満遍なくスプレーして下さい。又、鮮度を取り戻しますので新鮮な美味しさになります。

リプロ株式会社

おそらくあまり知識がない中でケイ素や酸化ケイ素が安定で酸化されにくいことを知って、それを振りかければ酸化されない(腐らない)と考えたのでしょう。

”腐る”というのは細菌がアミノ酸等を分解し、水や気体(アンモニア)などを発生させて、変性していくことを意味します。

場合によってはこれがうまみを生むのですが、一般的に腐食が進んでいるものに、その腐食を止めて腐食した部分の鮮度を取り戻す(変性した部分をもとに戻す)ことはほぼ不可能です。

iPS細胞でも植え付ければいけるんじゃないかな?(笑)

 

また、ケイ素自体が安定で酸化されないことと、付着した周りの部分が酸化されないことは別です。

ケイ素に付着している部分の化学反応(分解反応)を止める効果がある、という文献があれば話は別ですが僕が探した限り見つけられなかったので(僕が生化学の分野に詳しくないのもあるけど)ケイ素が抗酸化作用があるかどうかは微妙ですね。

そのため、「古米がおいしい新米に!」という記述も本当かどうかは微妙なところですね。

名前が一致しない

サイトを良く見ているとUMOなのかUmoなのかumoなのかウモなのかわかりません。

これ実は、特許登録する際には大きな違いはないんです。

一般的に大文字でも小文字でも同じと言うか、常識の範囲内で同一のものとみなされます。

おそらく今回もそうでしょう。

 

しかし、消費者から見て書いてあるものが表示ごとに異なるというのはなんとも不安感があります。

 

この説明はUMOという商品の説明だけど、買ってもらったやつはumoという商品だから、文句は受け付けないよ!

 

なんていう言い訳を可能にしてしまうことになります。

サイトでも書いてることもぼんやりしていてわかりにくい上に、成分表の1つも書いてないあたり何か言いたくないなにかがあるのだと思わざるを得ませんね・・・

20000円という値段

20000円は高くない?

もし蒸留水にケイ酸ナトリウムを溶かしているだけのものだとしたら、僕の研究室でほぼ無料で作れますし。

ケイ酸ナトリウムは500gで1600円なので(本当に買う人はいないと思うけど>>>ケイ酸ナトリウム)これをかって水道水に混ぜればいいだけになってしまう・・・

おそらく企業秘密かなにかが他の物が入っているのか、なんかなんでしょう。

ご利用は自己責任で

僕はこの商品がうさんくさいとかそういうことを言いたいのではありません。

きちんとした目線で商品を選んでほしいということです。

わからないなら調べなくてはいけないし、調べてもわからないなら、もう会社に聞きにいくしかないです。

それで納得できれば購入しましょう。

お金は大切ですよ。

ちらしにあったようにケイ素水の販売がもうすぐなので、もしかしたら販売員に質問しちゃうかも。

ご利用は自己責任でどうぞ>>>高純度珪素濃縮溶液 UMO

オピニオンカテゴリの最新記事