最近よく話題になる”若者の車離れ”は本当に問題なのか?

最近よく話題になる”若者の車離れ”は本当に問題なのか?

最近の若者は車を買わないからダメなんだ!

そんな声が飲み屋で隣の卓から聞こえてきました。

最近の若者は車も乗らないパチンコもしないタバコも吸わないし、何のために生きているんだということでした。

なんとも過激派なおっちゃんですが、たしかに僕たちの世代は自分たちの両親やもっと上の世代に比べて物欲というものが少ないような感じがします。

実際に、ミニマリストのように必要最低限のもので生きていくというのが最近のトレンドではあります。

 

こういったトレンドをメディアが取り上げていかにも日本の若者は変わってしまったなどと報道されています。

それに迎合するようにメディアを崇拝している人が 声高に「最近の若者は〜」などと叫んでいるのかな?

若者の文化が社会全体に理解されないのは世の常です。

江戸時代にも若者の言葉の乱れが本になっていたくらいですから。

 

どの社会の時点おいても若者社会全体とのギャップがあることは重々理解していますが、

車を買わないことが社会問題とされるのは僕としてはちょっと納得がいきません!

そこに本当に問題があるのか、ということを考えていきたいと思います。

僕たちの生まれ育った時代-ミレニアル世代-

僕たちミレニアル世代が生まれ育った時代はいわずもがな

日本のデフレ時代

です。

僕たちは日本が強烈なインフレを経験していた(バブル時代)ことを教科書やテレビでしか知りません。

小学校の社会の授業の中で

「今日本はデフレという状況にあって昔はインフレという状況にあった」

ということを習いました。

また、いずれ景気は良くなるだろうという先生の言葉を「ふむふむ」と聞いていました。

 

しかし、現在大学院の2年生ですがいまだ昔のバブル期のようなインフレ状態になってはいません。

2018年現在、アベノミクスにより市場は活気を取り戻しつつあり、有効求人倍率もかなり上がっています。

しかしどれも書類上の数値だけがよくなって僕たちの生活に反映されているという感覚は全くありません。

 

日本の低いGDP成長率とともに歩んできた僕たちにとって未来とは現在の縮小版でしかないという感覚が芽生えています。

そのため、われわれはお金は貯金や投資に回し、以前の物質的な豊かさの象徴である”車”を購入するという考えには至らないのは必然です。

 

またミレニアル世代の特徴としてデジタルネイティブであるということが挙げられます。

デジタルネイティブとは簡単に言うと生まれたときから電子機器やインターネットに囲まれてデジタルな生活を送っている状態のこと。

今の20代から30代は常時インターネットに接続された携帯電話やスマホを幼少期から使いこなしてきました。

離れた相手とも瞬時につながることを経験してきた僕たちにとって”物質的な近さ”はそれほど問題ではないのかもしれません。

わざわざ車で友達の家に行かなくてもLINEやスカイプで顔を見ながら会話できてしまうし、ゲームだってインターネットに接続すればみんなでプレイすることも可能です。

つまり、移動手段としての”車”も必要なくなってしまいました。

世代がちゃうんやで-バブル世代-

おっちゃんたち(50代、60代)の世代は僕たちの生活環境とは大きく違いました。

日本という国は世界でも有数の経済大国に登りつめる最中で、人口もどんどん増える、会社もどんどん大きくなる、日本という国もでかくなる。

必然的に給料もどんどん上がって、マイホームを買い、マイカーを買い、幸せな家族と過ごす。

トレンディードラマのワンシーンみたいな生活だったのだと思います。

 

未来に対する不安の量が今の時代とは違ったのではないでしょうか。

明るい未来を描き、物質的な豊かさが個人の幸福度に直結していた時代では”車”や”家”にお金をかけるのは当然です。

僕もその時代に生まれて、高い給料をもらい、車を持つことがステータスとされていたら間違いなく高級車を買っていたでしょう。

 

生まれた時代を言い訳にするつもりはないですが、昔ことを楽しそうに話すおっちゃんたち多いんですよ。

本当にいい時代ったんだなと。

毎日死ぬほど働いて、給料はどんどん上がって、その金で死ぬほど遊んで飲んで、また働きまくる。

 

でもごめんな僕たちはおっちゃんたちの時代を知らないんだ。生まれてないし。

 

僕らの世代とおっちゃんたちの世代、どっちがいいとかそういうことではなくて、生まれた時代が違うと生き方や考え方もその時代に沿ったものになってしまうんです。

だから、自分の時代の考え方に合わないからってそれを問題にするのは、それは社会問題ではなくてあなたのエゴですよ。おっちゃん。

車高すぎやで

僕たちには車は高すぎるよ・・・

転職Hacksによると

20代の平均年収は300万円、30代の平均年収は400万円程度です。

車ってぶっちゃけどの位するのかわからないので調べてみました。

だいたいレクサスの一番安いモデルで400万円弱くらいでプリウスで大体300万円くらいでした。

トヨタの車しか紹介していないけどステマじゃないからね!(笑)

 

20代、30代で年収と同額の車を買うというのはかなり厳しい

ローンで買ってもいいですよ、でもいつまた不景気になるかわからない世の中で毎月数万円ローンで持っていかれるってかなり精神的にきつい。

しかも車を買ってからも維持費でさらなる出費がかさみます。

 

ここでも金銭的な余裕の無さ将来への不安が僕たちから車を遠ざけています。

精神的な豊かさを求めて

まちがいなく今も、おっちゃんたちの時代も社会の変換点でした。

 

おっちゃんたちの時代は、

国民全員の所得が大幅に向上し物質的な豊かさを追求していく時代でした。

 

しかし今は物質的な豊かさはもうすでにいっぱいです。

だいたいのものが僕たちの生活にあるんですよ。

水も蛇口をひねれば出てくるし、ボタン一つで洗濯もしてくれる、ワンクリックで欲しいものが家に届くようにもなりました。

 

そんななかで僕たちは精神的な豊かさを追求し始めています。

 

昔ながらの年功序列的な働き方は破壊されつつあり、会社に属していても個人として尊重し尊重し合う時代。

これは以前なら物質的に豊かな人が尊重(尊敬)される世の中でした。

しかし今はその人の人となりやライフスタイルに共感される人が集まり、コミュニティーを形成し始めています。

 

これはインスタグラマーやインフルエンサー、ブロガーたちがぞくぞくと独立し、オンラインサロンなどのコミュニティーを形成していることからも明白です。

これからの時代は共感を求めて精神的な豊かさを追求していく時代であることから、物質的豊かさの象徴である”車”の購入には至らないのです。

自動車市場が占める割合

こちらの業界動向サーチで調べたところ、自動車業界の業界規模は

68兆1,730億円

で全産業中3位につけています。

日本の国家予算は100兆円程度ですから、業界の規模はとてつもなく大きいことが分かります。

 

日本が誇るトヨタは自動車の販売台数、売上ともに業界No.1です。

バブル期に世界の企業価値ランキングで上位に位置していた日本企業が軒並み倒産や合併しているなかでトヨタだけが生き残っていることを考えると日系企業の最後の砦のような存在ですね。

 

自動車業界が失墜してしまうと日本のお家芸ともいわれた製造業の完全な敗北を意味しています。

おっちゃんたちは自動車業界を盛り上げて行こうという意味で車を買わせたがっているのでしょうか。

かつては栄華を極めた日本の大企業の凋落を時代とともに見ているからこそ、日本人が盛り上げていこうという考え方なら、確かに納得できます。

 

なら、自分で俺らの分も車買って売上に貢献しろや!(笑)

 

僕たちには金銭的にも精神的にも車を欲してないんだ。すまんな。

最後に:おっちゃん見てるか?

あのとき飲み屋で話していたおっちゃん

この記事みてるか?

見てたらちょっとだけ自分の若いときの時代と今の時代を比較してみてくれ。

わかるだろ。

時代が変わったんだ。

もう若者に説教すんのはやめてくれ。

おっちゃんが僕たちに車を買ってほしい、という旧態依然とした考えを俺らに押し付けるなら、おっちゃんもオンラインサロンに参加したり、インスタやってみてくれよ。

俺らの気持ちがちょっとはわかるはずだ。

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